若葉レジデンスプロジェクト(担当:田野 滋一)
序章

東京には敷地面積の小さい低・未利用地が無数に存在する。その多くには木造住宅が建ち、

劣悪な居住環境を我慢している住民がいる。若葉レジデンスプロジェクトもそういう低利用

地の典型的な例としての住宅の改築計画である。

敷地面積、約31坪の土地に木造2階建の古い店舗併用住宅が建ち、施主家族は建て替えた

いと思うのだが建設資金が無い。そこでアパート経営を思い立ちハウスメーカーに計画を依

頼するのだが、その提案にピンとこない。こんな安易なアパートを建てて良いのだろうかと

漠然とした不安を抱いて私達に相談が持ち込まれた。

建設予定地は新宿区若葉で四谷駅と四谷3丁目駅の中間に位置する交通至便な土地。これな

らなんとかなると考えて計画を立案する。先祖代々住み続けた土地を都市施設として生まれ

変わらせるにはどうしたら良いか。都市にふさわしく、長時間の使用に耐える都心居住型レ

ジデンスを提案。容積率を限度いっぱい迄使わずに建築高さも押えた、この土地に適したボ

リュームの建築計画とする。建設費は銀行からの融資によりまかなう。こうすれば、賃貸部

分の上階に施主家族が住む住宅が出来上がる。

都市の低・未利用地開発のほんの小さな一例を計画進行に合わせて御紹介しましょう。



第1章 着工まで

事現場の進行状況を随時報告します。

銀行の融資が決定し、計画が確定するといよいよ建築工事が始まります。着工までに建築

工事契約を結び、既存建物を撤去し、工事の安全を祈って地鎮祭を行うなど、いろいろな

ことが行われます。

4/18(金) 既存建物の解体工事開始。およそ1週間の工程
工事前の既存建物
東京都23区内の木造住宅密集地の典型的な例。

周辺は再開発や建て替えが進んでいる。
4/28(月) 地鎮祭が11:30から行われました。地縄張りの確認も合わせて行われました
5/ 1(火) ボーリング調査
このあたりでは地下4mぐらいで関東ローム層にぶつかります。

基礎は関東ローム層に支えられることになります。
第2章 着工・躯体工事

この建築は地下1階地上3階の鉄筋コンクリート造。躯体工事とは、コンクリートの構造体を

創り上げるまでの工事で、仕上げ工事以前の建築の骨格づくりです。

5/20(火) 山留H鋼杭打開始
敷地の周辺部にH型鋼が打ち込まれ、建築予定部分の土を掘り出します。
6/ 6(金) 床付状況
建物を支える地面です。最深部は深さおよそ4.2mです。
6/20(金) 耐圧盤、基礎梁の配筋状況
側面矢板には断熱材と防水材が取付いています。

敷地いっぱいの計画の為、先付工法を採用しています。
6/21(土) 耐圧盤コンクリート打設状況
6/30(月) 地下1階 床 コンクリート打設後状況
7/ 8(火) 地下1階 壁 配筋状況
7/19(土) 1階 床 配筋状況
7/30(水) 1階 壁 配筋状況
8/ 6(水) 2階 床 配筋状況
8/19(火) 2階 壁 配筋状況
8/29(金) 3階 床 配筋状況
9/16(火) R階 床 配筋状況
9/24(水) 上棟式当日
10/23(水) 内装工事進行中
12/10(水) 外構工事 設備引込み工事
12/19(金) 竣工引き渡し
無事 竣工致しました。

以下は 竣工写真です。

外観
住戸A
内観

住戸B
内観

住戸C
内観

住戸D
内観

住戸E
内観

住戸F
内観


満室御礼!

2003年末の竣工前に、5戸の賃貸部分の入居者がすべて決定致しました。

しかし、空室が出る可能性もあります。貸室に興味のある方は下記にお問い合わせ下さい。


(株)ウィルプランニング(担当:安谷屋様)

TEL:03―5779―6144